研究室での作業
インストラクターの勉強をするといっても、テキストや教科書を持ってきて机の上で勉強する訳ではありません。先輩の諸先生方の実際のレッスンを聴講してそのレッスンの後に改めてレッスンの内容について先生から質問を受けたり、あるいは自分の意見を述べたりして実地に勉強するわけです。コンピューターなどの手ほどきも実際に教室でやっている仕事の仲から、比較的容易なものから順番に学んで行きます。
楽譜作成にはフィナーレと云うとても良いノーテーション・ソフト(楽譜製作ソフト)があります。以前はコンピューターが無かったので、出版されていない楽譜等は、全部手書きで作っていました。そのために牧野先生、斉藤先生の世代までは、楽譜の浄書のテクニックもインストラクターの勉強の一環として学んでいます。今は、コンピューターの時代なので、フィナーレの入力を早い子では小学生から習っています。
小学校高学年から中学生くらいを対象に、分かりやすく解説した楽典教材。
ただ知識を得るだけではなく、そのまま音大受験にも対応しています。
おなじみのにゃんこキャラクターがところどころで面白いお話しなどを解説しています。
研究室の一番の作業は何と言っても、教材作成です。プレ・ソルフェージュや楽典の教材作成が多いです。
教室開設時には、当時出版されているありとあらゆる子供の楽典の教本を買い込んで、ベスト・ワンとなるより良い教材を探しました。しかし、多様な子供達のニーズにあった教本は見出せませんでした。音大受験用の教本を、イラストやマンガを入れただけのとてつもなく難しい教本や、小学生低学年を対象にしているのにも関わらず、いくら音楽用語とはいえイタリア語の楽語の問題が出てきたり、およそ現実の子供を対象にしたものであるとは思えませんでした。これは本を製作していらっしゃる先生方が、実際に子供に接した事がないために起こったことです。また「子供と接した事がある。」とおっしゃっている先生も大学の教授と言う立場から、非常に特別な環境などに恵まれた、音大を目指すような特別な生徒を対象としている事に気付かされました。
教室では、既刊本のチェックのために専門家を目指す小学3,4年生の子供達を対象にして実際の教本を使用して、何が可能で、何が子供達にとって無理であるかを、(理論でなく実践で)研究しました。その次に教室の一般の生徒にも同じ内容の事柄が易しく説明できないだろうか?という事を研究しました。長年の積み上げの結果、いろいろな個性のある生徒一人一人を対象にして、その子供が理解できるような、子供の楽典の教則本を作る事が出来たと自負しております。
研究所にはデスク・トップのコンピューターが2台ホームLANでハブで共有できるように設備を整えています。大型コピー機は教材やパンフレットなどの作成に大活躍しています。その他にノートパソコンは各先生が所有し、ウェブレッスン、生徒・保護者とのやり取りや、論文作成・発表会の企画などに役立てています。
事務作業を効率化するためのシステムや、手順等をインストラクター志望者に指導するのも研究所のお仕事です。芦塚先生が書いた膨大な曲や論文等のデータ管理、膨大な楽譜類、教材の管理など、研究所の作業は多岐に渡ります。
事務所に来た生徒さんは、自分の誕生日をアウトルックに入力するのが恒例です。
芦塚音楽研究所製作のヴァイオリン教則本。3歳からでも音符を読んで伴奏にのって演奏出来るようになります。
芦塚先生作曲の奇麗な曲がいっぱいです。